伝説の名店の味をオマージュした「日常の中での贅沢」
Pont d’Or Inno ポンドール・イノ
三野真希シェフソムリエ
日本人の舌に馴染む「日常の中での贅沢」を味わうフランス料理
江戸のいにしえから賑わいが続く日本橋室町。21世紀日本橋再生の先鋒として建てられたYUITOの1Fに入るPont d’Or Inno(ポンドール・イノ)は、フランス料理界のレジェンド・井上旭氏のシェ・イノの姉妹店です。オーナーシェフの柚原氏は井上旭氏の愛弟子であり、シェ・イノ一筋でフランス料理を極めてきました。柚原シェフはシェ・イノの伝説のソースに和のテイストを融合させるべく、日本料理の名店・龍吟で研鑽を積み、日本人の舌にスッと入ってきやすい「日常の中での贅沢」を味わえるフランス料理の世界を繰り広げています。そんなポンドール・イノならではの料理に合わせるワインを取り仕切るのはシェフソムリエの三野氏。ボルドーやカリフォルニアのトップワインが並ぶワインセラーの傍でお話を伺いました。
目指すは二重丸のペアリング
女性フランス料理シェフを目指し、辻調理師学校フランス校に学んだ三野氏ですが、当時のフランス料理界は完全なる男性社会。まずはウエイターとしてこの世界に入り、あるワインとの衝撃的な出会いによってソムリエの道へと導かれました。そのワインとは「ジュブレ・シャンベルタン あプルミエクリュ オー・コンボット1995年」 、作り手はデュジャックでした。その後、いくつものグランメゾンのソムリエを経て、5年前にポンドール・イノのチームに加わりました。「ペアリングは二重丸でなければならない」レカンで勤務している時に、先輩ソムリエから受け継いだこの言葉を三野ソムリエは何よりも大切にしています。料理を要素のレベルまで分解し、料理とワインが「平等にすごい!」と思えるまで最適な組み合わせを探っていくそう。ワインをただ足すのではなく、ワインが加わることで料理が「さらに良くなったね」とお客様に喜んでいただけた時にペアリングは完成するのだという言葉が印象的でした。

この逸品

殻付き活けの雲丹と縞海老 深緑のソースとシードルビネガーのジュレ
新鮮な雲丹と縞海老に、アボガド・大葉・トマトコンソメを使った新緑ソースが美しい一品。 ジュラのワインがお気に入りという三野ソムリエがペアリングするワインは、ドメーヌ・クールベの「2020年コート・デュ・ジュラ サヴァニャン ロリジン」です。 三野ソムリエ曰く、「ジュラ地方はかつて海だった土壌が特徴。それによって生まれるミネラル感やサヴァニャン特有の優しく甘やかな果実感とハーブの様な爽やかさが、雲丹や縞海老の甘味やテクスチャーによく合います。特にクールべのワインは熟成をステンレスタンクで行うことでフレッシュでピュア味わいとレモンピールの様なほろ苦さがあり、アボガドなどの新緑ソースの各要素に寄り添ってくれます。」 二重丸のペアリングが際立つ、日常の中での贅沢を味わう空間。ぜひ体験してみてください。
店舗情報
- 店名
- Pont d'Or Inno ポンドール・イノ
- 住所
-
東京都中央区日本橋室町2丁目4-3 YUITOビル1F
- アクセス情報
- 電話番号
- 03-3276-0002
- 営業時間
- ランチ11:30〜 (ラストオーダー 14:00) ディナー 18:00〜 (ラストオーダー 21:00)
- HP・SNS
- http://www.pontdorinno.com/
- 定休日
- 日曜日・毎月第1・第3水曜日
- 価格
- 備考
- 中学生未満のお子様のご来店はご遠慮いただいておりますので、ご了承ください。
ソムリエ

氏名 : 三野真希
辻調理師学校フランス校を卒業。名店ドン・ピエールにてフレンチのサービスの世界に出会う。 ロアラ・ブッシュに移り、シェフ・ド・ランに昇格し、合わせてソムリエ資 格も取得し研鑽を積 む。プティポワンでのソムリエ経験ののち、カジュアルダイニングの世界も知っておかねば、と 学生時代に続けていたブラスバンドの興味もあってブルーノート東京に転職。再びグランメゾン の世界に返り咲いた舞台はレカン。宇佐美シェフ・ソムリエの元、ペアリングの技術を叩き込ま れる。その後尾崎料理長に抜擢されポンドール・イノに 2018 年に入社。